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13. シナリオの選定では、プロジェクト、選択肢、戦略の成否を左右する主要な技術的、経済的、政治的不確実要因に上級管理職の目を向けさせるようなものを選定すべきである。一般的には、シナリオを2つ、できれば3つ作成するのが最良策である。3つのシナリオを選定する場合は、それぞれ規模の異なったものとし、中心となるものや最も可能性の高いシナリオがないようにすべきである。

 

14. 期待正味現在価値(NPV)は、各シナリオごとに算定できる。また、各シナリオごとに感応度分析を行うのもよい。

 

15. シナリオ計画法は、マックスミン効果(つまり、最も悪くない「最悪予測」結果をもたらす選択肢)もしくはさらに多くの場合はミニマックス原理(つまり、最も少ない損失をもたらす選択肢)という決定基準による。こうした決定基準はプレゼンテーションに役立つこともあるが、選択肢の比較では一部分の内容しか示すことができない。しかし、各シナリオが実現される相対的可能性を少なくとも暗黙のうちに判断する必要性から逃れる道はない。

 

モンテカルロ分析法

16. モンテカルロ分析法では、各種入力データ間の相関関係を考慮に入れ、主要入力データの同時的不確実性の影響を評価できる。この方法では、単一入力データを主要入力データ予測値の確率分布に置き換える。通例、確率的入力データの選定は、事前の感応度テストに基づいて行う。その後、計算を無作為に何度も繰り返して行い、特定の確率分布から選定した各種入力データ値を組み合わせる。その結果は、主要入力データの不確実要因が主要出力にどんな影響を及ぼすかを示す1組の確率分布となる。

 

意思決定原則と意思決定樹形図

17. 時には「マックスミン効果」や「ミニマックス原理」といった「意思決定原則」が役に立ち、各種選択肢の相対的特性を明確にする一助となることもある。

 

18. 意思決定樹形図とは、1組の採用可能な戦略を図形に表わしたもので、連続的意思決定を伴うプロジェクトの分析に使用できる。それぞれ異なる戦略は、発生事象(または社会情勢)に応じたそれぞれ異なる正味現在価値(NPV)を生む。

 

大まかな簡略技法

19. 「割引率に対するオプション価格」は、楽観主義を排除する手段として採用できる場合もある。たとえば、販売収入のような将来の便益に割引率を適用する場合や、完成前に時代遅れになるという重大リスクがある場合である。また、便益予測自体に対する許認可機関の管理権限が限られている場合*_Y楽外乳Iな便益予測を相殺する手段として役立つこともある。しかし、割引率にオプション価格を適用するのは、一般的に健全な選択肢評価方法ではない。こうしたオプション価格は未調整のものであり、必ずしも楽観的傾向が少ないというわけではないが、運用費の安いものよりも運用費の高い選択肢に有利な意思決定を下す誘因となる。

 

20. ペイバック期間とは、(割引付きまたは割引なしの)総利益(現行費用の純価)が資本費用と等しくなるという損益分岐点に達するまでの年数である。ペイバック期間では、損益分岐期日後に生ずるすべての費用と利益を無視するので、プロジェクトの選択を歪める恐れがある。しかし、他のリスク処理技法に代わるものとはならないが、それを補足するものとして役立つこともある。たとえば、ペイバック期間が長ければプロジェクトの実現性が低いことを示唆するような、楽観主義的評価にペイバック期間を導入することもできる。

 

 

 

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