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以上のように、大野市内には各種の歴史的建築が数多く、存在し、これらがお互いに共存しながら大野特有の町並み・景観を形成している。歴史的建築は、いわば過去の産物として置き捨てられたもので、現代社会においては無駄で、邪魔者扱いきれやすい。ましてやこれらを補修・修繕して守り続けるとなれば、膨大な経費を要し、相当な覚悟が必要になる。しかし、これらは大野市の長い歴史を物語る貴重な建築であり、歴史文化の遺産でもある。これらを大切に守り、補修しながら現在にうまく活用していくことがひいては大野市特有の、大野にしかない町並み・景観を生じさせることになると考える。特に、伝統的な町家は、ここ数年姿を消し続けているといい、後継者問題も含めて早急に改善策を考える必要性を痛感した。

2) 大野における町づくりの取り組み

大野市における町並みや景観づくりについては、『大野市景観づくり基本計画』(平成9年3月)に詳しい。同書では大野市周辺の自然をも対象にした今後の景観のあり方、基本計画や指針にちて触れているが、街中の整備状況について取り上げると、次の通りである。

(1) 街中の整備

1]通りの整備

「越前大野歴史の路整備事業」として七間通り、寺町通り、石燈籠小路を石畳敷に整備し、七間通りは商店街のハイマート事業も実施され、街灯や道しるべ、看板なども整備された。

2]拠点の整備

・水を生かした散策路の拠点・・・御清水および御清水会館、義景公園の整備(水琴窟の設置)

 

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