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・町並み散策の拠点・・・元町会館(七間通り)、石燈籠会館(石燈籠通り)、七間本陣の設置・・・散策者のための無料休憩所、トイレ付・歴史的建築の拠点・・・城町の家老屋敷である旧内山家住宅の復元整備

3]景観を考慮した公共施設の建設・・・旧武家屋敷地であった城町に建設された検察庁・法務局や旧三番町通りの最北端にたつ三番派出所などの公共建築は、城下町の景観との調和を考慮して、白壁を基調とするデザインを採用している。

(2) 市民グループの活動

また、まちづくりをめざした市民グループ、団体が組織され、ボランティアグループの活動も盛んになっている。たとえば、七間通り商店街では「まちづくり委員会」が組織され、地区独自の「七間まちづくり協定」も定められている。また寺町地区では「寺町修景保存会」が組織され、寺町通りの美観形成に努めている。さらにボランティアグループ「こぶし組」は人力車を挽きながら観光案内活動を行っている。また、大野の活性化を探る「大野平成塾」や「大野明倫館」なる組織も相次いでつくられ、大野市のあり方について活動が展開されている。なお、これら各組識の方々にも本調査の委員として参画していただき、貴重な意見を得ている。このほか、商工会議所青年部のグループは大野市街地町並みマップを作成しており、こうした活動に接し、市民ひとりひとりのまちづくりに対する意識も高まりつつある。

3) 都市景観条例について

行政・市民が一体となった景観を生かしたまちづくりへの取り組みが評価され、平成10年度「都市景観の日」の中央行事事業において大野市は「都市景観100選」の選定を受けた。市当局は、平成11年4月の施行を目指して、都市景観条例制定の準備を急いでいる。

またこれに先立って平成9年度には『大野市景観づくり基本計画』も作成されている。この景観条例は、長い歴史を通して育まれ、守り続けられてきた大野市の景観を保全しながら美しい町を創造するための条例で、歴史的建築や地区を「景観重要建築物等」、「景観形成地区」、「景観スポット」の三つに区分けして評価したり、景観形成のため増改築にたいする助成金の交付、審議委員会の設置、景観表彰などを盛り込んでいる。この景観条例によって、大野の町がさらに美しく、整備され、市民にとっても住みよい町になっていくことを期待したい。

 

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