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2] 施設計画

 

・ 前述した各スペースの基本的な配置計画を踏まえた上で、当国際交流拠点の施設計画は以下に整理される。

□ 交通ターミナル拠点であるJR松江駅前広場の中央に位置する。当地域を訪れる来訪客にアピールする明快な形態をもつ建物とする。

□ 敷地条件に適した自由度のある形態の中でも、出雲石(来待石)など地域の伝統的な素材を取り入れながら、松江らしいデザインに留意する。

□ 建物構成の面においては、必要な機能スペースを、明快でシンボリックな形態の中に嵌め込み、全体を小さいながらも一体的な空間としてとらえるものとする。

□ 同時に、カウンターや家具・造作類とともに、部分的に天井高に変化をつけるなどにより、必要最小限の機能区分を図る。可動式棚や観葉植物等によるスクリーン的な遮断効果もまじえながら、適宜対応していく。

□ 敷地条件による制約のため、小規模であるが、よりグレードの高い施設計画をしていくものとする。来訪者のゲートとして、古都松江にふさわしい風格のある建築を目指すとともに、最新の映像設備や通信設備も積極的に取り揃えた情報発信基地として充実した内容としていく。

□ 交流機能スペースを1階に集約させ、バリアフリーな施設づくりを目指す。主入口は幅80cm以上とる、段差をできるだけなくす、案内板やパンフレット類を低い位置に設置する他、窓口カウンターも車いす利用者を考慮したつくりとするなど、高齢者や身体障害者も気軽に利用できる施設としていく。

□ 案内板については、当施設前に総合案内板を1セット設置するほか、駅前広場のレイクライン乗降場前に観光ポイントアクセス案内板を1セット設置する。

総合案内板は、松江市内をはじめ周辺のテーマルート全体を含む各施設の正確な位置関係の分かるカラー印刷による地図(最低2か国語)・照明等を一体とした松江らしいデザインの観光案内板とする。ステンレスやアルミなど耐候性のある素材を基調とするなど時間に耐えるものが望ましい。

観光ポイントアクセス案内板は、松江観光の目玉のひとつである観光ループバス「レイクライン」乗降場前を、サブ拠点的に位置付けるものである。音声案内装置(外国語含む)やベンチ・照明などが一体となったデザインの案内板とし、拠点施設と直接連絡の取れるインターホンの設置なども検討し、案内システムの充実を図るものとする。

□ 現在進行中の「街並景観照明マスタープラン」(関連計画参照)での松江駅前の計画に基づき、シティーゲートとしての「もてなしのあかり」の環境イメージに沿った夜間照明計画を行い、松江らしいシンボル性のある照明計画を導入する。

 

 

 

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