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北方海域航路

@ 衛星データは何を供給できるか?

・SSM/Iは海上作業の長期の戦略的計画を立てるために、大きなスケールの粗い解像度のチャートを供給する。

・AVHRRデータは雲が無い状況で局地的な氷の広がりと密接度を提供する。

・RADARSATとERSのSARデータは、特別な氷情報(氷の種類、割れ目、ポリーニア)を提供する。これらは戦略的(strategic)、オペレーテイブな(operative)そして戦術的(tactical)な航海に大変役立つ。

・ロシアの衛星(Okean、Meteor)はAVHRR及び粗い解像度のSARと同様のデータを提供することができる。

@ ユーザーは何を必要としているか?

・北方海域航路全体における10kmオーダー解像度の10日間の戦略的な氷情報

・1〜2km解像度の2〜3日間のオペレーテイブな氷情報

・100m解像度の2〜3時間間隔の戦術的な氷情報

 

5.9 現在の衛星海氷監視システムの問題点

 

現在の衛星システムの主な限界は次のとおりである。

AVHRRおよびGMS

可視/赤外システムは雲と光りに制限される。これは毎日の定期的な海洋観測には欠点になる。AVHRRデータは氷監視において基本的なデータである。データは無料であり、それらは非常に単純な装置で容易に受信することができる。1kmの解像度は一般的な海氷マッピングに十分である。北極海やバルチック海は、低気圧活動が頻繁であるため、雲にしばしば覆われる。このため可視/赤外データはこれにより制限され、バルチック海では約60%の画像が雲に覆われるため使用できないと推定されている。北極海ではさらに観測頻度は少なくなる。

SSM/Iデータ

SSM/Iデータは雲と光りに影響されず、地球規模のcoverageを与えることができるため、広域の海氷観測に有用である。しかし、その解像度はバルチック海のようなregionalな氷マッピングには粗すぎる。

ERS/SARデータ

ERS/SARデータは、十分な解像度で最も重要な氷パラメータを供給することができる。しかし、海氷監視の定常的な業務には、その時間空間分解能は不十分である。

 

 

 

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