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RADARSATのScanSARによって観測されたSARデータにより、Murmansk船会社の砕氷船艦隊の生産性を二倍にすることが、N. Babichにより理論的に推算されている。図5.11によると、平均した砕氷船の速度は、SARを使用しない現在の状態(実線)に対して、RADARSAT画像を使用する場合(破線)は増大することを示している。これより斜線域は季節の関数として生産性が改良されることを示している。

 

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図5.11 北方海域航路における月の関数としての平均砕氷船隊速度(V)と平均氷厚さ(hi)

 

5.6 カナダの現状

Canadian Ice Service(CIS)は、カナダ水域における信頼のあるタイムリーな氷の情報を作成することによって、安全で効率の良い海上業務と、カナダの環境保護を推進している。すなわち、船舶と港湾およびその他の海洋業務にとって直接の脅威となる氷山警報と氷状態の情報を作成し供給している。また、船会社と資源開発会社が安全かつ効率の良い方法で、季節的な操業を計画することを支援する重要な情報を供給する。

CISは年周期で成長と崩壊を繰り返す氷に影響を受けるこの国の全ての地域における、氷状態に関するデータを収集し解析する。夏季には、CISは北極海とハドソン湾海域に焦点を当てる。冬季と春季には、注意はラブラドル沿岸と東ニューファンランド水域、セイントローレンス湾、五大湖、およびセイントローレンス水路に転ずる(図5.12)

 

 

 

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