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オペレーテイブな海氷情報

オペレーテイブな氷分布図は、砕氷船のオペレーション(航路の選択、砕氷船艦隊の船団の形態と管理)の期間中、氷に関する問題を解決するためMOH(Marine Operations Headquarters, Russia)によって使用されている。

作業海域に関するオペレーテイブな氷マップと氷予報は、全ての砕氷船と船舶に伝達されている。この情報の助けにより航海士は正しく航路を定め、航海を計画しそして氷航海の安全を確実にする。完成したオペーレーテイブなマップは、合成マップを描くため、また研究目的(-航路上の氷の種類に関するデータを組織化する、また、一般的または地域的な氷の種類の法則を調べる)のため使用される。

オペレーテイブな氷探査のデータソースは、中高解像度(10または100m以内)の衛星、目視または計測器を用いた航空機観測、極域観測所、船舶、探検からのデータである。近年、EOデータはオペレーテイブな氷分布図の主要な情報源になってきている。航空機探査の数は減少し、氷状態の詳細な写真を得るための補足的な情報源になってきている。砕氷船と他の船舶による観測データは、その多くの観測と可動性により大変重要なものである。極域の観測所と探検による氷観測の貢献度は大変少ないものである。付加される情報には1〜3日から7〜10日先の天気予報、3〜7日先の氷の漂流と密接度が含まれる。

 

戦術的(Tactical)氷情報

戦術的(短期的)な氷情報の主なユーザーは、砕氷船および船舶に乗船している航海士である。戦術的な氷の探査は、決まったsea operation(船舶や船団の操縦、砕氷船の自主的な航海、港から港への貨物輸送)の期間中に一時的に実施される。

戦術的な氷観測の主な目的は、最適な氷海上の航路、すなわち、最も少ない消費時間と消費エネルギーで最も安全に氷上の航海を可能にする航路を選ぶことである。

戦術的な氷探査の主なデータソースは以下のとおりである。

・砕氷船のヘリコプターを用いた目視による氷調査

・航空機搭載のside-lookingレーダーによる探査

・衛星による高解像度の画像

戦略的(strategic)、オペレーテイヴ(operative)そして戦術的(tactical)な氷情報への要求は表5.5に要約される。

 

 

 

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