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一般的な海氷情報は全ての季節において重要である。というのは、北方海域航路上の異なる海域では航海シーズンは異なり、これは通年を通じて続くからである。海氷情報を使用する主な目的は、操業に消費される時間とエネルギーの両方に関して、船の操業を最適に行うこと、また最も安全な航海をすること、これにより、護送される船舶の損傷の危険を減少させることにある。これは最も危険な海氷現象に関して特に詳細な情報が必要であることを意味する。実際運航している船へ送る情報には、氷縁の位置、氷の種類あるいは年齢、動き、シアのある海域、リード(割れ目)、氷の粗度、氷山などを含んでいる。

Current navigationは、ロシアの氷サービスにより作成された総合的氷分布図(CIM)に基づいている。SARデータを使用すれば、情報の内容と氷分布図の詳細を改善することができ、分布図の統合化にとって利益があがるだろう。恐らくより重要なことは、戦術的なIce navigationに直接SARデータを使用することである。そこではSAR画像とデジタル化された砕氷船報告No.2に基づいた局地的な氷分布図が用いられる。

LRI画像(Low Resolution Image)は船上のアイスパイロットが必要とする情報プロダクトである。実用的な使用にとって、ERS/SARデータは戦術的な(tactical)航海の計画を立てるために有効かつ最適ではあるけれど、船上でSAR画像から氷情報の正しい解釈をするためには、アイスパイロットの教育と訓練が必要になる。このデータの覆う範囲は、氷の監視には大変限定される。

 

技術上の要求

SARデータは戦略的な(strategic)、オペレーショナルなそして戦術的な(tactical)氷分布図の作成を満足させるに違いない。それは異なる空間と時間スケールで利用できることを意味する。最も野心的な要求は、北方航路上の海域を航行しているそれぞれの護送艦隊に対して、一日に2〜3度通過する衛星から戦術的な氷情報を作成することである。これには3〜4個の衛星が必要になり、そのデータの解像度は100mかそれ以上であるべきである。時間の遅れを避けるため、船舶へ直接のダウンリンクすることが必要になろう。

 

戦略的な海氷情報(Strategic sea ice information)

戦略的(詳しく調査した)氷情報は、砕氷船艦隊のオペレーションを計画するため、北方航路管理部と海洋作戦本部で次の項目の解析に使用されている。

・貨物輸送が集中する港と北極域における貨物輸送をする地点;

・航海期間における状態とその期間の決定;

・輸送形態に従う輸送船と砕氷船の選択と配置;

・計画された海洋オペレーションの実践的そして経済的な指標の計算;

戦術的な氷踏査の基本的な手段は、低分解能(近似的に5〜10km)と最大幅を持つ衛星搭載のセンサーである。より高い分解能の衛星データは、航空機搭載の氷探査データおよび他のソースと同様に、海氷パラメータのより詳細な推定をするために、付加情報として用いられることができる。

 

 

 

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