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変形された氷(Deformed ice)

峰になったあるいは群がった氷(ridged and rafted ice)は、氷で覆われた氷海を船が航行するのに最も障害になる。SARデータは表面の粗さに鋭敏であり、それゆえに変形氷(deformed ice)の検出に対して大変有効な道具である。SARの高い空間分解能もまた利点であり、これは赤外やマイクロ波放射計と比較して、より優れたセンサーにしている。レーザー高度計は表面の地形(topography)を計ることができるので、氷の形についてより精確なデータを作成することができる。しかし、そのようなデータは衛星からまだ得られていない。

 

水路とポリニア(leads and polynyas)

水路とポリニアを検出することは、船舶の航行にとってきわめて重要なことである。SARデータはそのような特徴を同定することができる可能性を持っている。

 

氷山と小氷山(Icebergs and growlers)

氷山(図5.4)および小氷山は北極海における船舶とオイルリグにとって大変危険なものである。というのは、これらは小さな水平の広がりであるが、海面下に大きな容積の険悪な氷があって、これを検出するのは難しいからである。高分解能のセンサーが最終的には必要である。SARセンサーは海の状態によって問題を抱える。海が静穏な時に比べて荒れる時、氷山は検出され難くなる。というのは、表面の粗度は後方散乱係数を決める基本要素の一つであるからである。

 

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図5.4 氷山はグリーンランド、スバルバード等多くの場所から流れ出る。

氷山の深さは100m以上ある。右図は氷山の漂流跡を示す。

 

 

 

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