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ここで、hif、himは各々初年氷及び多年氷の氷厚を、Cif 、Cimはその密接度を表す。オホーツク海の海氷は全て初年氷であるが、NASAアルゴリズムから求めたSSM/I海氷データには初年氷と多年氷が混在してある。また、氷群中の氷盤の形状抵抗計数は次の式を用いて求めた。

 

048-1.gif

 

ここで、Cf0は単一氷盤の形状抵抗計数である。その他の計算条件をまとめると次のようである。

 

海氷と海氷の間の摩擦計数:0.3

海氷と海水の間の摩擦計数:0.004

海氷と空気の間の摩擦計数:0.001

単一氷盤の形状抵抗計数 :1.2

海水の密度 :1027 kg/m3

海氷の密度 :800 kg/m3

空気の密度 :1.247 kg/m3

海水の水平渦粘性計数 :1.0 m2/sec

海水流れ解析層の厚さ :5 m(海面層)、10 m、18 m、27 m、40 m(海底層)

 

4.1.2 オホーツク海の海氷移動・分布の数値シミュレーション例

 

DMDFモデルを用いて行ったオホーツク海の1ヶ月間の海氷移動・分布の数値シミュレーション例をここに示す。図4.1はSSM/I観測により得られた1995年2月2日の海氷の密接度及び式(1)から求められた氷厚分布を示してあり、今回のシミュレーションの初期条件でもある。海氷と海水は静止状態から海上風から受ける力により動き出す。今回のシミュレーションでは一週間を基本単位とし、その間の海氷の移動、氷域の拡大及び縮小の解析を行った。シミュレーションから得られた一週間後の氷況は、その日のSSM/I海氷データにより海氷の密接度、氷厚及び氷盤の大きさの修正が行われ、次のシミュレーションの初期条件となる。しかし、流氷の移動速度、海水の流速など、修正のための観測データのない他の条件は、シミュレーションから得られた結果を次のシミュレーションの初期条件として用いた。図4.2、図4.3、図4.5、図4.6、図4.8、図4.9、図4.11、図4.12はECMWFの全球風データから求めたシミュレーション領域内の風の分布、シミュレーションにより得られた海面付近での海水の流速分布及び氷況を示してある。また、図4.4、図4.7、図4.10はSSM/I海氷データにより修正された海氷の密接度及び氷厚の分布である。1週間の氷況計算に必要な計算時間はDEC alpha 433MHzのWindows NT PC を利用する場合約40分であった。

 

 

 

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