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4.1.3 今後の課題

 

ここで例として上げたオホーツク海の氷況シミュレーションの結果は、衛星観測から得られた海氷データと既存の風データ及び流氷の運動力学的モデルを組み合わせることで、効率的な氷況シミュレーションが可能であることを示している。計算格子の大きさが25km四方と大きいため、計算の精度についての細かい考察はできないが、今回行ったシミュレーションは、大ざっぱなところでの氷況の変動を精度よく表していると思われる。

今後、もっと精度の良い本格的な氷況予測に向けては、必要に応じた計算格子の大きさの調整を含むモデルの改善、用いる海氷データ、風データ及び計算パラメーターの精度の向上はもちろんのこと、気象及び衛星観測海氷データなど用いるデータの間のインターフェースや通信手法の確立が重要な課題になると思われる。

 

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図4.1 1995年2月2日のSSM/I観測から得られたオホーツク海の海氷密接度(左図)及び(1)式による氷厚の分布(右図)

 

 

 

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