5] 柔軟な路線設定が可能なバスの利点を活かす
バスは鉄道と異なり、路線設定を柔軟に設定しやすい交通機関であり、利用者の多い場所を結節することが比較的可能である。また、自動車とバスを比較しても、料金の安い駐車場は必ずしも目的地の近くには無いため、バス停の位置を利用者に便利なように工夫すれば、バスの優位性を確保することが可能である。特に、目的施設が集中し、効率的な路線設定が可能な中心市街地などでは有効である。
新潟市中心部の主要バス停を通行する北陸自動車道の事例や、大規模企業の入口にバス停を設定した日立市試行実験の目的地側の路線設定のように、柔軟な路線設定な可能なバスの利点を活かして、利用者の主要な乗降ポイントを柔軟に結節することが重要である。
6] 快速運行等によるサービスアップ
バスの速達性を向上させるとともに、パークアンドバスライドを他のバスサービスと差別化を図るために、金沢K.Parkに見られる快速運行を導入することが考えられる。
但し、金沢K.Parkの第1回目の試行実験では、駐車場から都心までのバス専用レーンにおいてシャトルバスを運行したものの、バスベイの切込が無い上に、一般走行車線が一般の乗用車で一杯であったため、そのシャトルバスが各停の一般路線バスを追い抜くことができず、シャトルバスのメリットを活かすことができなかったという苦い経験が報告されている。従って、快速運行を行う際には、各停バスを追い越すことができる道路形態となっているかが重要な鍵となる(「4] バスの走行性及び定時性の確保」を参照)。