日本財団 図書館


●システム実施中に行われたアンケート調査により以下のような知見が得られた。

◆長野市内の利用者の割合が17.7%、長野県内は24.3%であった。

◆マイカー1台あたりの乗車人員は3〜5人である。

◆駐車時間は7割が2〜4時間をとっている。

◆95%の利用者が、次回も利用したいとしている。

 

問題、課題

●交通規制について:交通規制については付近の商店等の理解が得られず、バス事業者等からみると思い切った規制ができなかった。

●十分な頻度の確保:駐車可能台数が多くてシャトルバスの運行頻度の高い若里駐車場便よりも、駐車可能台数が少なくシャトルバスの運行頻度が低い西和田駐車場便の方が行列が長くなる確率が高かった。

●駐車場所の確保:できる限り大きな駐車場を設置することによって、頻度の高いシャトルバス運行が可能になり、利用者の利便性向上ひいてはシステムの利用率の高さに結びつくと考えられる。より大きな駐車スペースを確保することが重要となる。

●途中バス停における停車:これまで、このような形態のP&BRにおけるシャトルバスは、駐車場とある地点を直行するケースが多かったが、今回のように、途中バス停における乗降を認めることは、利用者の利便性が高まり、地元の商業施設にとってもメリットが大きいため、付加する方が望ましいと考えられる。

●バス乗車の付加価値:今回の路線においては、往路の車内においてバスガイドによる長野市に関する観光案内、もしくはVTRの放映が行われた。これらの案内を行うことは、マイカーでそのまま善光寺まで到達してしまうのに比べて、少なくともメリットの一つになる可能性が高い。

 

参考資料

1)大澤厚彦(主査 太田勝敏)、中核都市における(旅客)交通のあり方における研究、日本交通政策研究会 日交研シリーズA-188、pp58-64、1995.6

2)(財)運輸経済研究センター、都市部における道路交通混雑緩和対策に関する調査報告書-バス利用促進に向けた事例分析を中心として-、運輸経済研究資料040849,pp121-124、1993.3

3)信濃毎日新聞、"御開帳 有料シャトルバス運行 実行委が方針"、1996.12.26

4)信濃毎日新聞、"長野の御開帳シャトルバス 初回は順調、さてGWは…"、1997.4.23

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION