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●交通手段別の所要時間の変化:清原南駐車場から東武宇都宮駅前までの約11km区間の所要時間は、実験バスで5〜8分、路線バスで3〜5分、自動車でも2〜3分、実験前と比較して短縮された。 とりわけ実験バスは、平均22kmの表定速度が確保され自動車よりも若干速く都心に到着できた。

●通勤総所要時間の変化:実験時の通勤総所要時間は、乗り換え等により、平均的には普段より5〜18分程度増加している。

●アンケート調査結果:参加者のシステムに対する感想や利用意向を把握するため、アンケート調査を行ったが、結果は約5割が今回の実験システムに満足しており、9割近くがこのシステムを今後検討すべきという意向である。また、実現化された場合は約7割が、条件付きではあるが「利用する」と答えている。

[第2回]

●モニターの参加状況:平均参加率は48.6%。実験期間を通して概ね40〜60%前後の水準であった。

●マイカーからの転換:実際には、マイカーからの転換よりもバス利用者からの転換が多かった。

●交通量、渋滞長の変化:第2回実験の規模で100m程度渋滞長が削減できたものと推測できる。第1回の実験結果を踏まえると、規模が拡大すれば効果が明確に現れるものと考えられる。

●交通手段別の所要時間の変化:バスレーン区間が長い東部では、快速バスはマイカーよりも旅行時間で2分、走行時間で3分程度早く走行でき、速達性確保に有効な手段であることが確認できた。バスレーン区間が短い西部では、快速バスはマイカーより若干遅く速達性向上が課題だが、路線バスより速く有効な手段といえる。

●通勤総所要時間の変化:実験時の通勤総所要時間は45〜60分程度であり、普段に比べた実験時の総所要時間の平均遅れは4〜7分程度であった。中には20分以上遅くなる人もいた。

●アンケート調査結果:システムについてモニターの約4割が「大変満足」「満足」と答えている。しかし、導入された場合「利用する」と答えたのは15%と低い。快速バスの運行や駐車料金の引き下げ、車内での着席率向上など「条件次第では利用する」との回答が55%に登った。

また、商業施設に隣接した駒生第3、陽東の駐車場は利用者から好評であり、これらの駐車場利用者の駐車場付近への立ち寄りは約40%に登った。

快速バスは、速達性、快適性から好評。

●第1回実験との比較:より現実的な条件設定のもとで実施したが、利用者の評価はさほど低下していない。

●実験終了後も、実験で使用した駐車場でパークアンドバスライドをしている人がいて、駐車場を提供してくれたスーパーから苦情があった。

 

問題、課題

[第1回]

【走行環境確保上の課題】

・バス優先・専用レーンとして、指導の徹底やカラー舗装化の拡大などの検討が必要。

・交通容量が不十分な箇所は、道路拡幅や交差点改良などのハード面の改善が必要

・当面は、信号パラメータ見直しや、バス優先信号の導入などのソフト面の走行環境確保方策の検討が必要。

・一般路線バスの乗降の多いバス停では、路線バス追い抜き帯の設置や、バス停位置の見直し等、システムバスの優先走行方策の検討が必要である。

・都心部大通りのバス停設置区間では、既存路線バスとの連なった運行を避けるため、路線バスも含めたバス停の位置の検討を行うことが必要。

 

 

 

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