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表5-2が示すとおり、この点でみた場合にも、金沢、熊本における大量輸送(バス、路面電車等)の利用水準は、欧州都市と比べて低い可能性が高い。今後、利便性の向上等、積極的な公共交通機関利用を推進する方策の検討が望まれる。

 

表5-1 都市別にみた、大量輸送の交通手段分担率

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表5-2 人口1人当りでみた、大量輸送の利用回数

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(2) 大量輸送における高齢者・障害者への対応

各都市においてソフト、ハード両面から様々な対応が取られていることを各章で述べた。ここでは、バス、路面電車(含むLRT)における車いす使用者への対応状況を確認する。

 

1] バス

表5-3の通り、ノンステップバス(床面高35cm)の普及度合は、総じて欧州諸都市の方が概して高水準である。

フランスについてみると、ナントやストラスブールなどの先進的な地方都市では、1割強の水準でノンステップバスが普及していることが分かる。イルドフランス圏においては対応が遅れており、熊本、横浜と同水準となっている。但し同圏では、ワンステップバス(日本における「超低床バス(床面高55cm)」に該当)の普及に注力していた実績があるので、熊本、横浜の従来型バスによるサービスよりは、質の高いサービスが提供されている可能性が高い。

ドイツについてみると、ハイデルベルグにおけるノンステップバスの普及率が進んでいる。同市はドイツで初めて1970年代に車いす使用者対応のバスを開発しており、ノンステップバスの導入に関しても積極的である。

 

 

 

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