これらの基準をもとに選択された路線では、1時間に1本程度運行(将来目標は、1時間に2本)されているが、市内には4m未満の狭い道路も多く、市内で偏りなく運行しているわけではない。
障害者用向けの対応が全くできない交通ターミナルもある。例えば、横浜駅西口のバスターミナルは、地下商店街から階段で各バスレーンに上がる形となっている。ここにはエスカレータ、エレベーターをつけるスペースが全くない状態である。
3] タクシー
1997年度まで「緑のタクシー制度」として、民間タクシー会社でのリフト付タクシー購入費の半分を助成していたが、あまりに費用が嵩むため1998年度から中止している。
タクシー券は、一定条件を満たす身体障害者に対して年間72枚(基本料金分)支給している。
4] STサービス
現在、横浜市身体障害者社会促進センターでは5台の車両を用いて運行事業を行っている。横浜市が車両を提供、同センターを通じてタクシー会社に運行委託している。市が問題点と考えているのは、5台では需要を賄いきれない一方で、市の予算もつかないため車両を追加購入できないことである。さらに、横浜市が運転手の費用を負担しており、高コスト体制となっている点も見なおされる予定である。
横浜市身体障害者社会促進センターとは別に、横浜市全18区にある各社会福祉協議会では、独自に日本財団等を通じて車両を確保し(各区1-4台)、ハンディキャブを運行している(ドライバーは運行ボランティア)。利用条件等も各区で微妙に異なる。横浜市全体では30〜40台前後配備されているものと思われる。
5] 福祉バス
現在、横浜市では福祉バス4台(うち2台がリフト付)の貸出を無料にて行っているが、貸出の都度、市が民間事業者に費用を支払う仕組みのため、最近の利用申し込み増により予算が不足し財政的に苦しくなっている(同サービスの有料化も、市で検討中)。
(4) 市役所の対応
1977年に制定した要綱を受けて、1998年3月に「福祉のまちづくり条例」を全面施行した。同条例は、他の都道府県で制定されているものと同種のものであるが、特色としては、条例の趣旨を徹底させるべく他の自治体と異なり、国や県の施設や小規模建築物(延床300m2以上が対象)も当該条例の適用除外にしていない点が挙げられる。