ヘルパーへは謝礼が支給され、最近は学生がヘルパーを希望するケースが多い。
派遣実績(1997年度)によると、一人の利用は月平均6回程度で、1回の利用が約4時間である。
派遣実績(1997年度)
・利用件数:平均160件/月
・延べ時間:平均640時間/月
・利用人数:平均26.3人/月
・利用障害者:平均35.5人/月
7] 運賃割引
さくらカード(優待証)の交付が行われている。対象者は市内在住の身体障害者、被爆者、高齢者(70歳以上)であり、路面電車およびバスを無料で利用できる。市からバス協会へ年間6億円を支給し、それを各社で分ける仕組みとなっている44。なお、市民以外の障害者には、身体障害者割引や精神薄弱割引(5割引)がある。
(4) 市役所の対応
1] 交通計画
熊本市総合計画では、公共交通機関の強化として、
・鉄道新駅の設置
・結節機能の強化
・路面電車の機能向上
・バスの定時性の確保
があげている。
また、総合交通体系調査における公共交通網マスタープランでは、下記を計画している。
・鉄道を都市圏の南北方向、路面電車を熊本市の都市軸である東西方向の交通の基軸として整備
・バスは鉄軌道系を補完する面的輸送機関として道路と交通需要に応じて整備
1995年8月の「熊本広域都市圏創造会議」を受けて同年10月に「熊本都市圏公共交通検討専門委員会」(委員:有識者、国、県、市、各交通事業者)が設置され、鉄軌道系およびバスの整備方針を出されている。
中心市街地の交通渋滞が問題となっていることから、公共交通機関の活性化に積極的である。そのひとつとして、1996、97年にパーク・アンド・ライドの実験を行った。その結果は、時間節約効果は小さく、自家用車の利便性が依然高いことから、十分な実績を上げることができなかった。
44 無料パス利用実績を通常運賃に換算した額は、年間6億円を上回る模様である。