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Lパーサーの同乗により、移動制約者の乗降が円滑化するものと期待されている。

 

表4-5 熊本市交通局における路面電車の概要

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ハ.停留所

路面電車の停留所は、島型43で35ヶ所ある。1988年〜1993年にかけてすべての停留所を改良したが、このときの整備は景観を考慮したデザインと安全柵の設置で、特に移動制約者を配慮した整備ではなかった。そこで、現在、スロープや接近表示機、上屋等を設置する整備を進めている。

 

表4-6路面電車の停留所整備状況(熊本市)

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ニ.問題点

交通局としては、超低床電車の台数を増やす意向を有しているが、車両価格が高額なため予算上困難な点である。高額となる理由の1つとして(1編成230百万円)、日本ではスイッチバック方式(終点で電車の向きを変えない)のため、車両の両側にドアが必要となり、コストが割高になる点が挙げられる。

停留所にスロープを設置した場合も、一部停留所の幅員が80cm程度と狭いため、車いすで利用できるのは、スロープを設置する28停留所中、11停留所に留まっている。停留所を拡幅するには、車道を狭める必要があるが、自動車の渋滞を嫌う警察当局の理解を得られていない。また、島型であるため、停留所のそばを車が走行し、車いす使用者のみならず、すべての利用者にとって危険を伴う。

 

ホ.今後の計画・課題

拡充計画は、1998年度に2編成を導入し、2000年度に1編成導入する計画である。なお、3編成ともリースでの導入とする。年間のリース代約4,400万円は、市の福祉予算からの補助を受ける予定である。

今後の課題は、熊本都市圏公共交通検討専門委員会で打ち出された方針でもある1]路面電車の以東への延伸、2]JRとの乗り継ぎ円滑化(JR豊肥線新水前寺駅と路面電車水前寺駅とが100m離れており、3ケ所の交差点がある)、3]上通アーケードヘの乗入れ(商店街の中に乗入れ、延伸先で熊本電鉄藤崎宮前駅と連結)等である。

 

43 歩道脇ではなく、道路中央に設置された停留所で、その両側が車道となっている

 

 

 

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