利用条件は、原則として会員1人月3回までで、3日前までに予約することになっている(空きがある場合はこの限りではない)。また、利用目的は問われないものの、通勤に利用することはできない。
利用料金は、30分毎300円+ガソリン代(20円/km)を加算した料金となっている。
利用状況は、朝の通院時の利用が多く、1997年度の運行実績は以下のとおりである。
運行実績(1997年3台計)
・通年平均:8トリップ/日
・平日平均:12トリップ/日
・最高:18トリッブ/日
現在の金沢市社協が考えている問題点は、1)運転ボランティアの確保が困難なこと、2)民間タクシー業の反発を招いていること、3)需要に応えられる車両台数を備えていないこと等である。1)については、登録者数は多いものの、平日に活動できるボランティアが少なく、それら平日は消防署や自衛隊の職員等の協力を得ながら運行している。ボランティア確保は、本事業の成功のポイントでもあり、そのためにボランティアの集まりやすい環境づくりの整備が望まれている。2)については、民間サービスに比べると社協のサービスは低料金のため、利用者が民間サービスから移行している。そのため、社協のサービスが民間事業を圧迫していると受け取られる傾向にある。3)については、3台運行の現在でも社協職員が危機管理のため、休日出勤して対応しており、これ以上車両を増やし職員に負担をかけることは、現状の人員体制では難しい模様である。今後、金沢市社協では、他地域の社協との連携により運行範囲を拡大したサービスの提供等が検討される予定である。
ロ.定時定路線型
STサービスの定時定路線型として、市自身が「金沢市におけるコミュニティバス導入可能性調査(1998年3月)」を実施し、サービス提供を予定している。市(交通対策課)が事業主体となり、事業委託を考えている。
事業の目的は、次のとおりである。
・交通不便地域のモビリティ向上を図る
・高齢者等の日常的な足として、地域内移動を支援する
・中心市街地へのアクセス改善に寄与し、その活性化を図る
・人々の交流を活性化し、地域コミュニティの形成を支援する
・都市内交通体系の一翼を担いマイカー依存型の都市内移動からの脱却に寄与する移動制約者への対応だけでなく、中心商店街活性化や環境問題等、幅広い意味で有効なものといえる。
導入車両は、小型のノンステップバスを予定している。