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例えば、停留所がタクシー乗り場と隣接していると、客待ちのタクシーが停車位置を占拠する場合がある。

未整備の停留所においては、停留所の高さが統一でないことや、十分な幅員を確保できない等、整備にあたって道路管理者および周辺住民等との協議を要し、スムーズに整備が進まない状況である。

現在、建設省および県と市が「バリアフリーバス停」について、実施設計を作成している。また、情報設備やストリートファニチャーの要素を施したモデルバス停を整備している。

 

ハ.小型バス

北陸鉄道の単独事業として、公共交通空白地区となっている市街中心区域に実験的に小型バスを運行している。これは、経費負担を抑えて利用者のニーズに対応することを狙ったもので、特に移動制約者を考慮したものではないが、結果的に高齢者に使い勝手がよいものとなっている。運行に対して特に、自治体からの助成は受けていない。40分に1本運行しており、車両は小型の一般車両で低床化ではない。

 

2] タクシー

従来は、民間事業者のリフト付タクシーに対して市が助成を行っていた。現在は後述のSTサービスを市が助成しているため、一定の障害度以上の人に、タクシーチケット年間30枚(初乗り運賃分)が支給されることになっている。

 

3] STサービス

イ.ドア・ツー・ドア型

1997年7月から、障害者の外出支援および社会参加を目的に、STサービス(名称:メルシーキャブサービス)を金沢市と隣接市町で会員制で運行している。

金沢市のSTサービスは、全国で初めて自治体(市)が自家用車自動車の有償運送許可を取得したケースである。一般にはSTサービスを運営する上で、道路運送法第4条および第80条の規定(不特定多数を輸送し、料金を徴収することは違法とされる)が問題となる。そこで、金沢市では会員制による運行システムとすることで、陸運局の許可を取得した。会員の条件は、車いす使用者の金沢市民で、1998年現在、210名(1998年)が会員となっている。

事業主体は市(交通対策課)で、運営は金沢市社会福祉協議会(社協)が市から受託して、サービスを提供している。

ボランティアが運転手となっており、登録者は210人(1998年)である。車両3台(それぞれ車いす使用者1人収容可能)で運行している39。設備は市が購入して、社協に貸与している。運営費は市が負担、1998年の市補助額(予算)は、1,390万円である40

 

39 社会福祉協議会は、運行管理システムを独自に開発し著作権を取得している。

40 金沢市社会福祉協議会「平成10年度事業計画書」

 

 

 

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