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配車の手順は、1]利用申込受付→2]コンピューターにインプット→3]コンピューターが2時間で配車計画案(通称:「ツアー計画」、ドライバーの休憩時間も反映)を作成→4]人間による再チェック→5]各営業所に配車計画を送付(ここまで前日)である。配車で最大の課題は「遅延」であり、現在の配車システムでは当日の計画変更が難しいため、今後は当日でも効率化のための配車変更ができるようにG.P.S(位置情報システム)の導入を検討している。

 

(3) 市役所の対応

1] 財政援助

1997年のテレバス活動予算は3,120万DMで、構成は市からの補助金2,600万DM、利用者の自己負担分200万DM、残りは保険会社、職能互助会等からの拠出分となっている(表3-8参照)。

輸送部門支出は全体で2,800万DM、その支払内訳はミニバス2,000万DM、タクシー(契約・一般)800万DM、であり、年間70万件の輸送実績(37-40DM/回)である。

テレバス内部経費は320万DMで、そのうち70-80%が32人のテレバス職員の人件費である。各契約営業所には活動時間に対して清算しており、

a. ドライバー、助手の2人乗り車両:61.5DM/h(16%の付加価値税込)、

b. ドライバーのみの1人乗り車両:53DM/h(16%の付加価値税込)

であるが、これらはドイツの平均的な職人の賃金である80DM/hよりも安いため、ドライバーの質は決して良いものではない。

 

表3-8 テレバスの収支構造(1997年)

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(4) 障害者から見た評価

ベルリン市は1989年に東西ドイツの合併時に、東ベルリンと併せて人口が急増した結果、STサービス利用者も倍増したものの、市からの予算は合併前と変わらないため、利用者からはサービスの質的低下に対する不満が寄せられている。但し、これは、これまでサービスを享受してきた西ベルリン市民の利用者が、1台を1人で利用できなくなってきた(相乗りになって目的地へ到着する順番が後回しになる)ことへの苦情が中心である。

 

 

 

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