ミニバス
ミニバスの定員は、車いす4台、同伴者3人、ドライバー1人、助手1人の合計9人である。車両後部にスロープ(角度は最高で20度まで。理想角度は10度)を設置している。スボーツタイプの車いす使用者や電動の車いす使用者は、スロープ角度10度以内であれば自力で乗車できるが、それ以外では介助付で乗車することとなる。テレバスでは、あらゆる種類の車いすを走行中にしっかりと固定できる方法を研究しており、現在、車いすを4ヶ所固定し、さらに安全ベルトを着用する方法を確立している(写真:図7-22参照)。
タクシー
契約タクシーの中には、車いす使用者がそのまま乗り込めるタイプのタクシー(ベンツ社、フォルクスワーゲン社の共同開発による)も数台用意されている。
3] 利用の資格
利用対象者になるためには、ベルリン市民32が、市指定の医師による障害度の審査を受けて、一定基準以上の障害度であるとの認定を受ける必要がある。最終的な判断はベルリン市厚生援助局が行う。原則として審査中の人はテレバスを利用できないが、審査に6ヶ月ほどかかるので、「特別許可」(但し、医師の指示により車いすを使用している等が条件)を受けることで利用可能となっている。また、80歳以上で医師の処方箋に基づき車いすを使用している人は審査なしでテレバスを利用できる。さらに、普段、自家用車を利用している障害者は、車両故障等により自家用車が使えないときにテレバスを利用することができる。実際の利用者の内訳を見ると、下半身麻痩、足の切断、骨盤骨折、筋ジストロフィー、人工透析等の障害者が多く、いずれも通常の交通手段では移動困難な人々ばかりである。
例外措置が2つあり、一つは、一時的にテレバス利用者と同等の症状(脳梗塞、心筋梗塞等)を持つ人々は6ヶ月間だけ利用できることになっている。もう一つは、老人ホーム利用者に対して、外出希望者等に年1回でグループ輸送というサービスを特別に行っている。
4] サービス内容
イ.特徴
テレバスのサービスの特徴は、最終目的地(建築物内の部屋を指定することも可能)に到着するまでオーバーコートの着脱、買い物袋を持つ、家の戸締まりをする等、多岐にわたる木目細かなサービスを提供することである。
テレバスは公共交通機関とは違い、市所有の車両に利用者が乗車する形態であるため、他の利用者との調整等により利用時間が30分前後ずらされることがある。
32 ベルリン市民以外でも、ベルリン市を訪問する障害者については、自己負担でテレバスを利用することができる。