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3. ベルリン

 

(1) 市の基礎情報

1] 面積および人口

ベルリン市(都市州で、州と同様の権限を有している)は、面積890平方km、人口336万人である。

 

2] 移動制約者の状況

市内で、65歳以上の高齢者は46.8万人(人口の13.9%)となっている。

 

(2) 移動制約者への対応(テレバス:STサービス)

1] 歴史的経緯

連邦政府(開発技術省)の交通研究プロジェクトで障害者対応の技術検討を行っていた。その後、1979年から赤十字社等6団体で構成する自由福祉連盟が、その中の一組織としてテレバスの運営を始めた。現在ベルリン市には2.5万人の利用対象者がいる。

 

2] サービス体制

イ.組織の位置付け

公益法人(社員は準公務員)であり、ベルリン州厚生援助法に基づきベルリン州からSTサービス運営を委託(州社会省と権限委譲契約締結)されており、州法に基づいた運営を行っている。

人的輸送特別法(連邦法)では、定員が10人以上の車両がバスと規定されており、テレバスの車両は定員が10人に満たないので、法的にはバスではない。但し、テレバスは特別な保護を必要とする人を乗車させるため、人的輸送特別規定の適用対象となり、車検が年1回となる。運転手についても、人的輸送特別法に規定する免許を持ち、かつ専用の研修を受講したものに限られる。

 

ロ.人員

370人の契約ドライバー(契約先は観光バス会社、福祉団体、民間鉄道事業者等32社)、若干名の良心的兵役忌避者(連邦政府から給与を貰っている)、32人の職員31で構成されている。

 

ハ.車両

ミニバス125台(契約先所有のバスを借用)、契約タクシー25台をテレバスで運行管理している。さらに、運行能力を上回る需要がある場合は、外数で一般タクシーを利用することもある。

なお、テレバスの車両はバスレーンを走行でき、スモッグ警報中でも走行できる。また、駐車に関する規制は受けない。

 

31 職員は、輸送運営部門(受付、配車等)と精算事務部門(利用者との料金精算、保険会社との精算、タクシー会社等との精算、利用対象者のケア等)で構成されている。

 

 

 

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