日本財団 図書館


ハ.ホームと車両との隙間対策

さらに、電動車いすでは車輪がホームと車両との隙間に挟まってしまう問題点があり、SSBはこれらの解決策をシュツットガルトの障害者団体に相談している。

 

3] LRT

LRTの都心地下式部分では、SSBが駅舎での移動制約者対策を推進している。LRTの駅舎(14-15ヶ所)全体で、エスカレーター130基、エレベーター25基を設置しているが、これらすべての駅で障害者がアクセスできるようにはなっておらず、まだ12-15ヶ所でエスカレーターやエレベーターの設置が必要となっている。また、視覚障害者が駅の構造を手で触れて把握できる案内図を試験的に設置している(写真:図7-20参照)。

しかし、新駅ではエスカレーター、エレベーターを100%設置できるのに対し、既設駅では必ずしもエスカレーター、エレベーターを設置できる場所がないこともあり、場所の確保や市からの財政的な支援等、駅舎でのアクセシビリティ向上には解決しなければならない課題が山積している。

なお、VVSでは、軌道系の路線網図を配布しており、各駅の車いす対応の可否が記されている。また、観光案内所からは都心部の車いす移動可能通路を示した地図も出されている。

 

4] STサービス

イ.概要

シュツットガルトでは、ベルリンのテレバスを参考に、赤十字など5つの非営利団体が、タクシー業者と同様の事業免許を取得して、STサービスを提供している。シュツットガルトでは、障害度と収入を勘案して、約1,000名の障害者に年間96枚のチケットを支給している(1枚55マルクの価値)。1回の輸送で、最大2枚まで使用することができる(この結果、最大60km圏を移動することができる)。チケットを使用する際の目的制限は特に定められていないが、通勤に利用することはできない。シュツットガルト市では、このために年間200万マルクを負担している28

 

28 1枚55マルクのチケットに換算で、月当り約3,000枚が利用されている計算になる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION