但し、バスの問題点は、このようなノンステップバス普及率が低く(SSB保有234台中19台)、移動制約者にとって、乗ろうとしているバスがノンステップバスかどうか解らないことである。また、ノンステップバスの普及が難しい理由の一つとして、シュツットガルト市が坂道の多い盆地都市であるという点も挙げられる。
2] 旧路面電車
イ.ホームと車両の段差対策
これまで旧路面電車にはホームがなく、地面から車両のステップを3段上がって乗降していたが、現在、旧路面電車のホームを90cm嵩上げし、車両の扉の高さ(地上1.0m)との段差を10cmにすることで、乗降時の段差を減らす努力をしている(普及率49%)。
但し、ホームの嵩上げを実施するにあたり15年前に障害者に試してもらったところ、腕力のある障害者しかこの段差を乗り越えられなかったにもかかわらず、車輪の摩耗や車両の外開き扉を考慮したため、まだ10cmの段差を解消できていないという技術的課題が残されている。
ロ.LRTと旧路面電車の共通ホームでの対策
シュツットガルト市中心部では、経済合理性の観点からLRTと旧路面電車が一部の軌道敷やホームを共有しているが、そのような駅では、車両構造の違いから、それぞれの車両の床に合せたホームの高さとし、それぞれのホームを階段とスロープで繋いでいる(写真:図7-18参照)。
また、シュツットガルトでの公共交通機関(Sバーン、LRT(Uバーン)、旧路面電車)の車いす対応状況を見ると、SバーンやLRTでは7割の駅で車いす利用可能、旧路面電車では2割の駅で車いす利用可能となっている(表3-3参照)。