第二次大戦後まもなく、戦傷者が増加に対処すべく、同サービスが開始した。具体的には、次のことを無償で行っている。
・鉄道ターミナルでのサービス(後述)
・駅周辺にいるホームレスへのサービス(記述なし)
・家庭内暴力を受ける女性へのサービス(記述なし)
ロ.組織
上部団体として「緊急援助協会」(Association daide de premier urgence)があり、その下に、当団体SOSサービス、ホームレス用住居センターの2つがある。
SOSサーヒスには、15人が給与をもらう形で常勤している。市の職員ではなく、別個の組織の職員という位置づけ。15人の職員の中には、心理学者やソーシャルワーカーがいる。
同様の組織は、フランス国内に15箇所あり、それぞれ独立している。中には、Lyon、Dijyonのようにボランティアを比較的積極的に使っているところもある。なお、現在の人員体制(15人)で、サービス提供に支障はない。
ハ.財源
主に2つの財源から構成されている。第一は、国の補助金で、家庭内暴力を受ける女性、ホームレスヘのサービス提供に対して、フランス家族公庫(CAFC)が補助金を出している(但し、障害者へのサービス提供は補助対象外となっている)第二に、市の補助金である。その他、少額の寄付もある。
ニ.鉄道ターミナルでのサービス
サービス内容
切符購入等に対応して、SNCFの窓口から予め連絡があり、どのような障害者が駅に到着する/駅から出発するかをSOSサービスが把握する。
障害者が駅に到着したところで、SOSサービスの人がエレベータ等を使って、プラットホームまで/から案内している。また、単にプラットホームに案内するだけではなく、乗換えの世話も行う。場合によっては、乗換列車待ち時間に手持ちぶさたとなる障害者の話相手になることもある。
駅から出発する障害者については、駅周辺のホテル等にいる場合は、SOSサービスが迎えにいく。チップ等は一切受け取らないことになっている。
また、SOSサービス内に、電動バッテリーを充電できるようになっている。
サービス実績
サービスを受ける障害者は、1ヶ月で200名程度。車いす使用者がもっとも多い。次いで視覚障害者、歩行困難な高齢者の順番となっている。
フランス国鉄との役割分担
障害者への駅舎でのサービスについては、SOSサービスが存在しないところでは、フランス国鉄が代わりに障害者への対応を行うことになっている。しかし、国鉄とSOSサービスのメンタリティは大きく異なる。国鉄は、単に切符を売るついでの姿勢が強く、障害者を思いやる配慮に乏しい。