ヘ.組織体制
ヘルパー
300人のヘルパーが在籍し、給与を受け取っている。女性が半数であり、また27歳未満が半数である。1997年はヘルパーのうち、109人が月87時間以上勤務している(109人のうち、70人は月130時間勤務)。この300人の中には、若年失業者雇用の一環として採用した65人も含まれている。26歳以下の失業者が本サービスのヘルパーとなる場合、政府から1年間の失業給付金を受取れる仕組みになっている。なお、1997年は別の職業を見つけたという理由で132人が辞めている。
300人の外数として、イルドフランス圏の障害者団体(GIHP)から10人が参加し、週末や夜にガイドヘルパーサービスを支援している。
管理部門
40人が在籍し、うち管理職としてフランス国鉄とパリ運輸公社から16人が出向している。
ト.財政基盤
1997年決算では、14百万フランの運営費(出向者給与等を除く)に対して、収入は、7百万フラン(ガイドヘルパーサービス収入)および8百万フラン(通学児童のガイドヘルパーに関する補助金等)となっており、約1百万フランの赤字である。このため、赤字軽減の一環として、1997年4月には、従来の3事務所を1事務所に統合し、また、SNCFと協定を結び、ガイドヘルパーサービスとは直接関係はない事業を行うことで、対価を得て、脆弱な財政基盤を下支えすることになっている。
ガイドヘルパーサービスとは直接関係のない事業として、数十人の若年層が雇用され(ヘルパーやスタッフの外数)、パリ・リヨン駅で、駅舎内の荷物搬送車を管理、乗客の荷物輸送を助け、タクシー乗り場に案内することになっている(年中無休で朝6:30〜21:30)。また、TGV1等車に車内雑誌を発車前に配布する業務も担当することになっている。これに対してSNCFから対価を得て、ガイドヘルパーサービスの赤字をカバーしようとしている。
チ.今後の課題
フランス国鉄、パリ運輸公社の支援規模が小さいことが大きな問題であり、さらに、移動制約者へのガイドヘルパーサービスを行いながら、同時に若年失業者の雇用も図ろうとしているために、本来のカイドヘルパーサービスの質を招来している。
短期的な課題としては、若年失業者への補助金制度を98年以降、3年間で打ち切られる予定であることから、その場合、必要となるヘルパーを確保することが難しくなり、当組織の活動に多大なる影響が出ることを懸念している。