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視覚聴覚障害者向けのバスの設備としては、66%の車両に音声アナウンス装置が備えられている14。また、運行中の車両内への盲導犬の同伴はすべて認められている。15のバス路線では、停留所の音声アナウンスおよび運転手後部のネオンパネルによる文字案内の自動システムがある。ネオンパネルにはバスの終点および次の停留所名が表示される。

 

表2-13 ノンステップバス車両(床面が地面から約35cm)の導入状況(フランス)15

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ロ.バス停留所

パリ市助役Vincentiに対するヒアリング調査(1998年)によれば、現在、イルドフランス圏の定期路線1,124路線にバス停留所は23,058ヶ所あり、車いす使用者のために改善が必要と思われる停留所は、10,450ヶ所ある。

バスベイ(バス駐車用に歩道側に引込んである部分)は問題が多いと考えられている。理由は、歩道ぴったりに車両を停車させることが困難であり、また違法駐車されやすいスペースとなるためである。今後、改良を行っていく予定である。20号線の運行では、低床車両を歩道に近づけて停車するよう運転手へ研修も行っている。

 

2] 地下鉄/郊外鉄道

イ.車いすでのアクセス

地下鉄

パリの地下鉄は歴史が古く、地質的な問題もあり、駅の殆どで車いすのアクセスが不可能である(3駅のみアクセス可能:Saint-Denis-porte-de-Paris駅、Saint-Denis-Universite駅、La Defense駅)。これは、エレベータ、エスカレータ等を設置することができないためである(写真:図7-2参照)。パリは、フランス全体でみても、移動制約者対策は最下位に属する(表2-14参照)。但し、新線のMeteor線(1998年9月から運行開始)は、車いすでのアクセスが完全になされている(写真:図7-4参照)。

 

14 パリ市助役Jean-Charles de Vincentiに対するヒアリング調査(1998)より。

15 COLITRAH資料"Mesures en Faveur des Personnes a Mobilite Reduite"1998他

 

 

 

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