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(5) Loire Atlantique県での施策

1] 県の組織

地域による区分:Loire Atlantique県には、110万人の人口がいる。2つの都市圏(広域自治体)があり、そこに県人口の5割が集中している。そこでの交通は都市圏が直接担当している。それ以外の地域の交通については、県(※)が担当している。

※仏には行政区分が4つ存在、市町村→県(全国に100県)→地方圏→国となっている。

業務内容による区分:学童・生徒の輸送、都市間輸送は、県の担当となっている。重要性の観点からは、学童・生徒の輸送が第一となる。

 

表2-10 Loire Atlantique県の役割

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a) 学童・生徒であり、かつ身体障害者である場合には、県が無料で(障害度50%以上)、自宅と学校の間の輸送を行う。これは、都市圏内でも、県が責任をもって行っている。

b) 地方(県内)では、障害者問題は殆と取り上げられてこなかった。県では、大きな治療センター向けに輸送を行っている。具体的には、大西洋岸にある施設と最寄りの町・フランス国鉄の駅を結んでミニバン(車いす3台収容)を運行している。県の役割は輸送よりも、むしろ身障者施設(研修等)での役割が大きくなっている。

c) 地方では、試験的にタクシー運行を行っている(下記2])。

 

2] タクシー

イ.対象地域

県内の25市町村をまたぐ地域で(人口4万5千人、人口密度50人/km2:県平均154人/km2)、試行的にタクシーの共同利用を行っている。この取組み自体は、移動制約者のみを念頭においていないが、実際は高齢者の利用が多い。但し通勤利用は不可。

 

ロ.サービス内容

指定の地域内であれば、1週間に2〜3回タクシーを共同利用できるようにしている。タクシー会社に連絡を行い、複数の乗客を乗せるようにアレンジがなされる。地域内での往復の運賃は次のとおり。

1人乗車の場合1人あたり25フラン

2人乗車の場合1人あたり20フラン

3人乗車の場合1人あたり15フラン

 

 

 

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