1976年:専用交通に関する非営利団体(Center d'Action et de Recherche pour l'Insertion des Personnes Handicapees:CARIPH)を組織、2台のミニバスでサービス開始。当時は障害者向けの交通サービス提供という発想は十分普及しておらず、需要が供給を超えたのは設立から2年を経過した時点であった。
1979年:ナント交通事業体(SEMITAN)の業務の中に吸収されることになった。これは、当初の非営利団体が市の行政監査委員会に属しており、公共が専用交通も担当すべきであると考えられるようになってきたためである。関係する3当事者の間の協定で定められた役割分担は次のとおり。
非営利団体(CARIPH):メンバーの管理、事業企画
市町村事務組合(DISTRICT):補助金等の財政支援
ナント交通事業体(SEMITAN):実務・運転計画
ロ.事業内容
営業時間
・月曜〜金曜午前6時30分から午前0時
・土曜午前9時から午後10時30分
・日曜午前9時30分から午後8時30分
サービス体制
ドア・ツー・ドアの輸送サービス(但し、玄関内の介助は行わない)を行っている。
・ミニバス9台(1台で車いす3台を収容。通常稼動は7台)(写真:図7-10、図7-11参照)
・タクシー:ミニバスが不足するラッシュ時および休日はタクシー運行でカバー。
・運転手24人(通常のバス運転手が研修を受けた上で担当。1日10人程度が乗務)
・予約担当2人(電話連絡後、コンピュータソフトを利用してスケジュール作成)
サービス内容
サービスは次の2種類で、ともに利用目的の制限はない。通勤のために利用できる。
・不定期サービス(Ponctuel):前日に電話受付を行い、単発でサービス提供を行う。
・定期サービス(Regular):年間予約により、定期的にミニバスを利用できる仕組み(例:毎週月曜日の午前中、隔週日曜日等)。この場合、前日の電話予約は不要。
サービス実績:現在、800人が登録している。週末よりも、平日の利用が多い。これは、このサービスを通勤目的で利用することができるためである。
1日平均では、ミニバスを延べ200〜220人が利用している(毎日10人の運転手がいるとして、運転手1人あたり20〜22人を毎日送迎している)。また、タクシーを利用する人は1日平均40人程度である。