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表2-6 フランス主要都市における、ノンステップバスの導入状況9

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2] LRT

ナントにおける路面電車の歴史は古く、19世紀にフランスで最初に路面電車を走らせた都市である。この路面電車は自家用車普及が進む中で1958年に一度廃止されたが、中心部の交通渋滞を緩和し、都市の環境保全を図っていく立場から、1985年にLRTとして路面電車を復活させることになった。ナントは、LRTとして路面電車を復活させた、フランス最初の都市であった10(写真:図7-6図7-8参照)。

1985年の第1路線開業時は(2両編成)、当時のメーカーに低床車両を製造する技術がなく、ホームと中間の床とに75cmの差があった。

1987年にグルノーブルで、ジェッタアルストン社製の低床車両が導入されたことを受けて、ナントでも1992年の新しい路線開設から部分低床車を導入した。これは、従来の2両連接車の中間に低床車両(地面から床面まで35cm)を挿入することで、旧型車両の有効活用、輸送力の向上および移動制約者対策とを同時に実現させた。低床車両は車いす使用者の他、乳母車利用者、買い物キャスター利用者等にも役立っている。プラットホームのうち、低床車両が停車するところには目印があり、また、ホームと車両の隙間をカバーするパレットが出てくる(写真:図7-9参照)。なお、新しく建設される路線(第3路線)では、全て新型の低床車両(AD Tranzインチェントロ)が運行されることとなる。新型の特徴は、車両の両輪が独立した動力で動く仕組みを採用したことから、車軸がなくなり、その分、床を全面的に低くすることができる点である(ストラスブールにおける現在の低床車両と同様)。新しい路線の計画図は、図2-3参照。

 

3] STサービス

イ.歴史的経緯

1975年:仏で身体障害者のための法律が制定されたのを受けて、障害者の間で公共施設利用の要望が高まってきた。

 

9COLITRAH資料 "Mesures en Faveur des Personnes a Mobilite Reduite" 1998他

10なお、フランスでは路面電車が、マルセイユ、サンテティエンヌ、リールで残っていたが、ナント、グルノーブル、ストラスブール、ルーアン、パリ(ヴァルドセーヌ、サン・ドゥニ・ボビニ)で復活、現在8都市で運行されている。また、オルレアン、クレルモン・フェラン、ヴァレンシエンヌ、モンペリエ、ボルドー、リヨン、エースなどで計画中。

 

 

 

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