3. 問題解決の提案
この問題は、VTS機構の強化(組織と運用員の教育)、航行空間の拡大又はVTS海域をオーバーラップさせることで解決できる。極めて精巧な知能端末を持った機能性の良い通信ネットが有れば、調整のとれた交通の流れの基礎を設定でる。
船舶間で自動的にデーターを転送する新しい技術が、船上の航行データーを技術的に識別することを可能にした。旧来のレーダ情報に加え、第2の情報チャンネルが、船舶用自動識別システム(AIS)と呼ばれて加わることになる。このシステムでは、全ての使用者がGPSの時間信号を利用して同期を取り、放送方式が採用されている。AISはこの有効な原理を利用している。船に位置決定装置(例えば衛星受信機)を搭載し、これをVHFかUHFのデジタル時分割多重無線通信系に、接続すれば、船の位置とシステムを構成している他の移動体の位置を船上のスクリーンに表示することができる。この方式はシステムを構成する全てのユニット識別や、位置などの短いメッセージを送信することによって完成される。同時に、この外の通信システムについての準備や開発が進められている。INMARSAT通信システムはその機能が更に複雑化しつつある。IRIDIUMプロジェクトは、近い将来LEO(地球低軌道衛星)を使用して広い周波数帯での全地球的な通信を促進するように見える。要約すると、AISを使用して、航海分野において、より高度な安全基準が達成でき、効率的なVTSを確立出来て、船舶のメッセージは自動的に判別でき、船対船、船対岸の利用が将来可能となる。
船対船、船対岸の情報転送は、要員の精神的な作業容量の観点からその利用に限界がある。VTSセンター又は、船上の要員による情報選択という作業が増加することになるであろうか? 異なった情報の数が増加することが自動的に航行の分野で適切な結果に繋がるだろうか?
ユーザーを助ける機能を持った情報システムの最後に節目をつくる仕事が発生することは避けがたい。現在の交通センターの業務では、特に下記の仕事を継続すると記述してある:
-情報
監視区域を航行する船舶には気象、海域及び航行に関する情報が提供される。船舶の航路と交差する区域では、その区域についての情報の船上での取得には、通常の可能性判断が使われる。交通センターからの情報提供は連続的に行われる。
-通信
船と交通センター間の通信は、通常の距離範囲内でVHFで提供される。