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・整備のプライオリティ…「エコボートモデル港」に指定されても、予算枠が特別に増えるわけではない。県や市の既存の計画を利用しながら整備を進めていくが、土地計画との関係や企業との調整もあり、全てを一度にはてきない。考えられるデザインはいろいろとあるが、県としては、市と協力しながら何を優先することが最も有益か、整備計画のプライオリティを検討していく。当面、運河の整備が進んでいるので、そのつながりで効果がある地区から手がける。また、扇町地区に住宅建設が予定されているので、その周辺も優先的に検討したい。

・船によるアクセスと隣接地区との共存共栄…隣接する鳴尾浜の甲子園フェリーは平成10年8月で廃止されたが、旅客埠頭の設備は残っている。現在、空き船は多いはずなので、扇町に新たに旅客ターミナルが整備され、背後地に魅力のある拠点ができれば、海からのアクセスで拠点をつなげる可能性は十分考えられる。例えば、定期船ではなく、研修や販売促進のためのクルージングに利用する方法もある。芦屋・西宮は海上レクリエーション施設が充実しているエリア。尼崎の新しい拠点とアクセスが確保され、双方の地区がボトムアップされることが望ましい。

・市民の意識と土地利用…市民には、空洞化している南部臨海地域の土地利用が尼崎の活性化のカギという意識が強い。市は海岸整備の直接的な事業主体にはなれないが、市民の希望を各管轄省庁に伝えながら、有効なネットワークを検討していきたい。

・コーディネーターとしての役割…市は、臨海西部拠点開発事業として、区画整備事業を進めている。海岸整備は運輸省と尼崎港管理事務所(兵庫県)の管轄下にある。地域全体のネットワークをうまくつなぐために、関係機関に要請をしながらコーディネートしていくことが市の役割。

◇西淀川地区

・矢倉海岸への通行権の問題…矢倉海岸が緑地整備されても、途中に民有地があり、現状では市街地からのアクセスに問題がある。新たな護岸を整備して通行用道路にするか、民有地の企業の協力を仰ぐか、矢倉海岸整備と共に検討すべき課題。

・矢倉海岸へのアクセス…途中にある民有地に協力を依頼するか、下水処理場を管理する環境事業団との関わりで進めるか、どちらかの方法でアクセス道路を整備していきたい。

・淀川沿いでの住民とのトラブル…親水護岸に整備された結果、ウィンドサーフィン、魚釣り、バーベキューなどで利用する人が増えたが、駐車場がないために、休日は堤防の上に車が並ぶ。騒音や渋滞の問題で住民とのトラブルがある。また堤防緑地の草刈り、コミ処理問題なども今後検討すべき課題。

・大野川緑陰道路…道路という位置づけであるため、公園的な使い方ができない。

・自転車道整備と不法駐輪の問題…大野川緑陰道路、なにわ自転車道などの整備によって、自転車の利用者が増えてきている。区内の各駅にはすべて駐輪場が整備されているが、不法駐輪が多い(撤去数は1ケ所で年間1万台以上)。

 

 

 

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