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今まで以上に積極的に広域行政の推進に取り組む必要がある。地方公共団体は、会館などいわゆる『ハコ物』の整備や高齢化の著しい市町村における医療・福祉サービスの提供にあたっては、類似施設の乱立を避け、効率的かつ的確な施設整備やサービス提供が行えるよう、広域的な視点からの所要の調整を行うよう努めるものとする」と指摘するなど、広域行政は非常に有効な手段の一つとして捉えている。

広域で連携することで、無駄を省くことができ、行財政の合理化・効率化が図られる。そして、このことによって、住民の求めるサービスの高度化に対しても対応できる可能性が広がるといえる。

かつてのような経済も人口も右肩上がりに伸びていく時代は終わりを迎えつつあり、今後、地方財政をめぐる状況は、より一層厳しいものになっていくことが予想される。また、地方分権の進展によって、かつてのような横並びの地域づくりは過去のものとなり、今後、広域的な活動を行う人・産業・情報などを巡る「都市間競争」「地域間競争」は、さらに厳しいものになっていくものと予想される。そうした競争を勝ち抜くためにも、財政などの問題が顕在化する前に、共通の利益のために共同で行動をはじめることが求められている。

 

2 湖南における連携の意義

既に第1章でも指摘したとおり、本地域の2市3町の人口は、京阪神地域からの流入にも支えられ、昨今の全国的な少子・高齢化にもかかわらず依然として増え続けており、その総人口は30万人になろうとしている。

その意味では、本地域は成長地域であるといえ、財政状況も総じて恵まれてきた。そのため、これまでは個々の市町ごとに行政を展開し、その施策を競い合うような状況であった。

しかしながら今日、財政状況は横ばいあるいは右肩下がりの状況になってきており、合理化・効率化は不可避の課題となってきた。

こうした中、広域連携への取組は、行財政の合理化・効率化のための手段としては、一つの有効な方法といえる。だが、広域で連携するといった場合、どの程度の規模・範囲が望ましいのだろうか。

 

 

 

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