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さらに平成7年、この閣議決定を受けて国会に提出された地方分権推進法が成立すると、同法に基づく地方分権推進委員会が発足し、地方分権の具体的な内容についての審議が行われた。同委員会からは、これまでに5次にわたる勧告が出されており、この勧告に沿って、平成10年5月には、地方分権推進計画が閣議決定されている。さらにこの計画に基づいて、今次の通常国会には必要な法案の提出が図られるなど、地方分権は現実のものとして急速に進展しつつある。

こうした地方分権の進展に伴い、今後、市町村が担うべき役割も当然、増大していくことが予想され、各市町村には地方分権に対応できる体制の整備が求められてきている。

 

(2) 生活圏の拡大

かつてのような第一次産業中心の社会構造であれば、就業の場はほとんどが自市町村内であり、就学・買物などの日常生活も、自市町村内で完結していた。

しかし、産業構造の変化、モータリゼーションの進展、さらに今日のようにインターネットや携帯電話に代表される情報通信手段の発達などが急伸してくると、人々の通勤・通学や買物、医療分野などの日常生活活動の行動範囲は市町村の区域を越えてはるかに伸び、より広範囲に高度なサービスが求められるようになってきた。

こうした日常生活圏の拡大は、様々な商品やサービスをより広い範囲に求める動きともいえる。かつて、商品やサ-ビスを限られた範囲・条件の中で享受していた地域住民は、今や多くの選択肢の中から、最も自分が満足できる商品やサービスを選べるようになっている。

市町村の境界を越えた広い範囲で商品やサービスを受けられるようになった住民の目は、当然、行政サ-ビスに対しても向けられることになる。かつては自市町村で提供される行政サービスに満足していた住民も、日常生活の範囲が広くなって他市町村に出かけるようになると行政サービスを比較するようになり、より高度で良質なサービスの提供を求めるようになる。

 

 

 

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