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事例49 鹿児島県・根占町(人口7,389人 面積88.49km2)

〜ねじめドラゴンボートフェスティバル〜

 

1. 交流事業の契機

例年、秋晴れの10月第2日曜日、根占町の中央部をゆったりと流れて錦江湾に注ぐ雄川の河口で、今では全国規模のイベントになった「ねじめドラゴンボートフェスティバル」が行われる。昔、南蛮船の艫綱(ともづな)をつないだという大クスのたもと塩入橋から根占港フェリー乗り場入り口の根占大橋までの380mで、漕手8名、舵手1名、タイコ1名計10名で構成される8艇のボートが速さを競う。潮の干満を利用して競技するため、参加は120チームが限度であるが、午前10時過ぎから午後3時過ぎまで、ドラの音や歓声でとても賑やかである。

今から450年ほど前、後奈良天皇の頃、統治者である称寝氏が、戦乱後の財政建て直しのため「雄川」の河口に港を作り、中国や琉球との貿易を始め、唐人町ができるほど賑わったそうである。ところが、貿易が盛んになってくると、唐人と南蛮人との間に勢力争いが絶えなくなったことから、称寝氏は仲直りのために住民との「南蛮船競争」をさせ、親睦を図らせた記録が残っている。

史実に基づいた、この文化的遺産を復活させ、町の活性化を図る目的で根占町商工会青年部が中心となり、昭和60年に第1回ねじめドラゴンボートフェスティバルを開催し、今年で第14回を数える。

 

2. 交流事業の経過・概要

当初は24チームで始められたが、町外・県外チームに加え、平成3年からは香港チーム、マカオチーム、中国チームが参加するようになり、次第に現在のような国際色豊かな大イベントに成長した。

 

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ウェルカムパーティー

 

 

 

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