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事例48 鹿児島県・霧島町(人口5,976人 面積82.54km2)

〜永水小学校山村留学の取り組み〜

 

1. 交流事業の契機

霧島町は、昭和9年に日本で初めて国立公園の指定を受けた霧島国立公園の南麓に位置し、観光と農業を基幹産業とする人口6千人の町である。中でも永水地域は、町の南に位置する山間地で、兼業農家を中心とした約250世帯、人口約680人の地域である。

永水地域のコミュニティの中心である永水小学校が、平成4年に創立100周年を迎えることになったのが、この山村留学を始めるそもそものきっかけとなった。当時の永水小学校は複式学級であったが、100周年の記念すべき年に、さらに学級数が減少し、4学級になるという危機感から、何とかして子供の数を増やし、地域活性化を図る方法はないものかと思案した結果、山村留学に取り組むことになり、当時のPTA役員を中心に平成3年に準備委員会を設置し、同年9月に実施委員会を発足させ、平成4年度に5人の留学生を迎え、具体的な活動を展開した。

 

2. 交流事業の経過・概要

平成4年度の開始以来、今年度までに全国から61人の留学生を受け入れてきた。

永水の山村留学は、里親宅に住みながら通学する「里親方式」と、祖父・祖母宅から孫が通学する「孫もどし方式」、親子で永水に住みながら通学する「親子留学方式」の3つの方法により1年間の留学を実施している。

運営については、地域公民館長やPTA会員、有識者、教職員、行政関係者など40名を超える人数で役員会を組織し、留学生の募集、面接、夏季の短期山村留学や冬季の歩こう会などの各種イベントの実施、月1回の里親会の実施、広報や視察対応など、すべて住民主導で実施している。

 

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元気一杯の山村留学生たち

 

 

 

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