アンテナショップを通じて矢部村を訪問する観光客が増え、過疎の地で以前はほとんど知られていなかった村の存在が「杣の里」の名で親しまれており、また、交流事業の中で「愛樹祭コンクール」や「日本秘境サミット」「九州伝承ユートピア探求」など様々な文化的事業にも取り組み、村内外から高い評価を受けている。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
杣の里交流事業も10年目を迎えようとしている。施設の維持改善も必要となった。基金積み立てにより維持費を捻出する計画だったが、バブル経済崩壊後は金利の低下で村一般会計からの支出が増えている。ただ、村全体への波及効果はある程度成果を収めているといえる。地域住民や福岡県内においては「杣の里」の名も定着しているが、まだ県外にはそう周知されていない。今後は、点的な整備に加え、矢部村全体の面的な整備による訪問客の受け入れとともに、生涯学習の村、文化発信の村としてのソフト事業の充実を図っていく必要がある。