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町をあげて祝う「手づくり結婚式」

 

平成8年に町内で行われたある結婚式をヒントに生まれたのが、「結婚宣言」エッセイ全国コンテストである。二人の出会いを綴ったエッセイを全国から募集し、最優秀のカップルには瀬戸町で「手作り結婚式」をプレゼントする。手作り結婚式は「瀬戸の花嫁」が町中に流れる中、新郎新婦を人力車に乗せてパレードを行い、その後「新月の夜に、その木の前で誓いをかわすと、そのカップルはいつの日か結ばれる」という樹齢約1,200年を超すビャクシンの木にしめ縄を結び、ガーデンパーティーでは町自慢の高茂牛や海の幸を使ったバーベキューでもてなすなど、「瀬戸町ならでは」にこだわった内容のものとなっている。

この情報を全国に発信するため、各地のタウン情報誌に協力を依頼し、企画を取り上げていただいたラジオ番組に出演するなどして町をPR、募集を行った。その結果、北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地から多数の応募があり、新聞をはじめ各マスコミの注目は大きく、小さな町の情報が全国に発信できたという点では大きな効果があった。

今後も、若年層をターゲットに瀬戸町をロマンチックなイメージで売り出すという本来の目的のためにこの事業を継続し、さらに内容を充実することによって瀬戸町を“花嫁が舞い降りるまち”として引き続き全国に発信していきたい。

 

3. 交流事業の問題点と今後の展望

この瀬戸の花嫁祭りの“手作り結婚式”イベントは、全国に情報発信して町をPRすることでは大きな効果がある反面、町民の一部には「町が費用を出して、よそ者のためにそこまでする必要はあるのか。地元の若者カップルに手作り結婚式をし、定住してもらうことが町の活性化であり、目指す方向ではないのか」とする厳しい見方もある。確かに、町としても多種多様の活性化策を講じてきたが、このイベントをはじめた10年前に比して、定住人目が減少しているのは現実である。

今後のイベントの方向としては、全国に情報を発信、町をPRするだけの効果に留まらず、経済的効果、定住効果を視野に入れながら取り組む必要がある。

 

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和太鼓演奏(花嫁まつり)

 

 

 

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