4. 交流事業の問題点と今後の展望
都市が山村に求めているもの、山村が都市に求めているもの、それらが構造的に存在し、意識された結果として交流が求められているが、それぞれの想いがすれ違い、一方的なり一時的な交流に終わってしまう場合も多いと思われる。震災時に芽生えたJUONに対する想いは、ネットワークと「大学の森」という形として現実となった。しかし、現状では民間あるいは住民主導とはいえ、まだまだ一部の人達の献身的な努力の上に成り立っている。今後、本活動の理解者をいかにして広げていくか、そこには震災時からの想いが託されているといえる。
体験者と地域住民が共に、普段の生活の中で目にすることがなかったり忘れかけている森林の素晴らしさに触れ、一緒に自然と人との共生を体験的に感じ、学び合い、それを都市・山村を問わず各所で実践できる人が育つ「大学の森」として展開してほしいと思う。