3) 人口の定住
地域(町)住民の理解と、文化人・芸術家を受け入れようとする施設の推進により、やがて、住んでみたいという人々がこの町を訪問するようになり、東京・神奈川その他から芸術家を含む人々の町内定住が始まった。
4) 文化による町づくり
文化芸術の交流は町民の文化レベルを高め、講座や文化グループが育成され、交流イベントが活発化して地域間交流が増加した。同時に地域を自らの手で起こして行く住民活動が現れた。
5) 秋吉台国際芸術村の完成
芸術・文化を中心にした事業の発展は、県の国際芸術村構想の推進に当り、その実績と環境が揃っている本町への建設が決定され、平成10年8月、我国でも初の本格的な滞在型芸術活動の拠点として、秋吉台国際芸術村が完成した。新しい芸術活動の発展は、町の魅力を更に高めるとともに内外芸術家の町内定住などによる地域活性化への期待も膨らませている。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
1) 問題点
・“交流”がいなかる形態で行われようとそれが単なる手段であれば、その効果は望めない。交流を施策でなく政策としてとらえる必要がある。
・国際交流は一見人目を引き派手ではあるが、パーティや、イベントのみでは何も生まれない。展望と目的をはっきりさせる。
・交流事業を維持するにはまず事業を推進する人材の育成、しかも事業を進めながら行わなくてはならない。
・地域には優れた能力・技能を持った人がいる。人材を生かすことを考える。
2) 展望
物質から心の豊かさへと考え方は変化しているが、過疎という大きな問題の中で、交流による人口定住が、地域住民に具体的に何をもたらせるのかということの地域住民の理解を得ることで、この事業は進展すると考えている。
このため、町としても、このような芸術・文化活動が、地域住民の日常生活にごく普通の風景としてより溶け込めるよう、本事業の一層の展開に取り組んでいく必要があると考えており、そのことにより、芸術・文化による国際交流のまちづくりが更に進展するものと期待している。