日本財団 図書館


事例32 広島県・豊松村(人口2,034人 面積52.35km2)

〜アンテナショップとよまつむら〜

 

1. 交流事業の契機

従来より、村内一般の農家では、直消費野菜が残り無駄になっている実態があり、また、野菜生産農家、花卉生産農家では、規格外品の利用方法や、加工食品などの生産品の販売ルートの確保に苦慮していた。また、高齢者の所得につながる事業の可能性についても、思案されていた。

 

2. 交流事業の経過・概要

このような背景から、平成7年7月に計画された、中山間地域活性化推進事業実施計画の中の重点事業として、アンテナショップの開設を掲げ、その中で、地方中核都市(福山市)に豊松村の出店舗を構え、本村の産品・伝統芸能・情報を提供することで、農家の所得の増加に努めることを目標に、出店費を計上した。

平成7年8月より、福山市大黒町において出店オープンした。1組合員につき年間1,000円の組合費で参加してもらい、組合員78名でスタートし、トラック2台に山積みされた産品の販売は、常勤5名、ボランティアの組合員3名で対応した。

平成8年4月より、福山市船町において2号店をオープンし、組合員も104名に増加した。売上額も2店舗で1,400万円に達した。

平成9年10月に、2号店は住吉町へ移転し、組合員も106名となり、年間売上額も3,000万円を超えた。

平成10年4月、第3セクターの(有)陽光の里公社に専用トラックを購入し、輸送面において強化したところである。組合員も120名に増加した。

 

296-1.gif

運搬用トラックから商品を手に取るお客

 

3. 交流事業の効果

農家が会員となり、農家自らが作った野菜、花卉、加工食品に自らが値段を付けて出荷することから面白味があり、当初の目標通り農家所得の増加につながる一方、村の活性化にも貢献し、特に高齢者の生きがい対策につながっている。

生産から加工・流通・交流まで、まさにアグリビジネス(アグリパークとよまつ)化しつつある。

情報発信の面においても、5月に行われる「水仙まつり」、6月に行われる「ゆりまつり」、そして毎年10月に行われる「とよまつふれあいフェスティバル」など、村内のイベント・催し物等の情報提供に努めてきた。中でも、豊松村商工会が企画した都市との交流事業において、平成9年度はトウモロコシ狩り、平成10年度はトマト交流などをアンテナショップで情報提供し、いずれも成功裏に終わっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION