3. 交流事業の効果
まず、当事業の目的である森林の大切さを学ぶという点では、豊かな森林に囲まれた施設である魅惑の里での合宿は、学習環境に恵まれており、大いに意義あるものといえる。近年、水や大気などの環境問題が取り沙汰されるようになり、都会の人も森林の重要性に注目するようになった。きれいな水やおいしい空気を生み出すためには森林を守る必要があることを学ぶには、子供のときからの学習が大切といえる。
また、今回完成したツリーハウスを、夏休みの期間中、魅惑の里に残し、思い出の写真も園内に展示したところ、参加した子供が家族や友達を連れて魅惑の里を訪れ、苦労話や思い出を語る姿が見られた。今後も、子供たちがリピーターとなり、多くのお客さんを連れてきてくれることを期待している。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
この交流事業は、森林インストラクターをはじめ多くの人材を必要とする。人口の少ない小さな村にとって、人材不足は否めない。
吉和村では今年から、都市農村交流スタッフ生受入れ事業を開始した。都会の女性たちに「吉和村で農業やハーブ栽培をしながら暮らしてみませんか」と呼びかけ、今年から4人のスタッフ生を迎え入れている。スタッフ生は、吉和村での農林作業の体験学習を中心に、魅惑の里の手伝い、イベント企画、特産品の開発、村の行事への参加などを行っている。子供たちの体験交流会にもお手伝いとして参加した。今後は、交流事業のアシスタント的な役割を担ってもらうことで、より本格的な交流活動へと展開していくことを願っている。また、スタッフ生が研修期間を終えて都会に帰っても、再び吉和村を訪れ、農家の人たちとの交流が続く、そういった交流活動が地域の活性化につながっていくことを期待している。