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3. 交流事業の効果

うかん常山公園にはオープン以来1年間で、約33万人が訪れている(それまでの有漢町への観光客の入込数は年間で約8千人)。県内でも全く知名度のなかった過疎と高齢化の進む山間の町が、今最も注目される元気な町へ生まれ変わってきた。

もとはと言えば、住民のちょっとしたアイディアから生まれた公園が、今では文字どおり町のシンボルとして定着し、住民一人一人が誇りに思えるものとなった。同時に、ここで暮らす人それぞれの意識の中で、“小さな町でも、輝きのある、活気に満ちたまちづくりができる”ことを確信できるようになった。町民の間に、「こんな小さな町でもやればできる」という気運が上がっているのが最大の効果といえる。

 

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石の風車

 

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風車フェスタ'97 inうかん

 

4. 交流事業の問題点と今後の展望

うかん常山公園は、これまで特に目立つ施設もない有漢町にとって初めての本格的な公園であり、高速道路の開通を契機に、広域交流拠点として大いに賑わいをみせている。

しかし、「風を集め、風をおこす」取り組みは今始まったばかりであり、今後は、この賑わいを一過性のものとしないように、イベントを中心としたソフト事業を戦略的に展開するとともに、公園周辺整備を進め、より機能性を高める必要がある。

また、南北軸(西日本中央連携軸)や石の風ぐるまを主題にした広域的な振興策を、高知県や鳥取県などの市町村と連携を図りながら研究している。

自然の力(風)で石の風ぐるまは回るが、石の羽根をまわしているのはそれだけではなく、いろんな人の思いや願いがそうさせているように思える。小さな心棒(我が町)でも、その心棒がしっかりしていて、多くの人の知恵や願いがあれば、大きな石の羽根(広域的な交流)を回すことができる。それをしっかりと認識し、将来を見据えて、少しずつ実践していくことが大切と考えている。

 

 

 

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