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事例28 岡山県・新見市(人口25,107人 面積351.99km2)

〜そばの里づくり〜

 

1. 交流事業の契機

新見市南部のカルスト台地では、昭和40年代まではそば栽培が盛んであり、かつてはどこの家庭でもそば料理が振る舞われていた。しかし、社会経済環境の変化等から栽培面積が減少し、そば打ちできる人も少なくなり、そば畑もほとんど見られなくなった。

地域住民からも、このまま手をこまねいていては地域がますます衰退する、との声があがり、もう一度そばの花が見渡せる田舎らしい風景を取り戻し、昔ながらのそばの伝承と新しいメニューの開発によって、そばを通して都市との交流を行い地域の活性化を図ろうと、平成5年度に「カルスト台地そばの里づくり推進協議会」を発足させた。

 

2. 交流事業の経過・概要

この協議会は、地元住民80人を中心に、各関係機関の連携のもと、『そばの里づくり』『そばの実づくり』『そばの味づくり』の3つを基本に活動を進めてきた。カルスト台地のそばの里づくりは、地域の特色を生かし、秋にはそばの真っ白い可憐な花が咲き誇り、住む人の心もなごむ農村らしい美しい風景が広がるようにと、そして、都市住民との交流の場として、そばの栽培を中心とした体験農業やそば打ち体験による味の伝承を行う工房など一年中楽しめる里づくりをと、夢は大きい。

◆『そばの里づくり』としては、そばのある風景写真コンテスト、そばそばサミット'95、新そばまつりを開催している。

・そばのある風景写真コンテストは、そばの里らしい風景を写真に収めるべく多くの人々が訪れた。地域外の訪問者のために「そばの花畑マップ」案内標識を立て、畑へ案内した。多くの募集作品の展示を行い、入賞作品を決定するなど、そばの里のPRを行った。

・そばそばサミット'95は、そばで村おこしをしている県内や近県の人を招いて開催した。それぞれの取り組み状況等の発表を行い、地元産のそばを使用することが基本であると位置づけ、盛会に終わった。

・新そばまつりは、昔からの伝統食ケンチンそばを新そばで作り、多くの消費者に食べてもらおうと毎年11月に開催している。このまつりの中で、そばのある風景写真コンテスト及びそば畑立札コンクールの入賞者の表彰、記念品の贈呈、作品の展示を行っている。

 

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そばのある風景写真コンテスト

 

◆『そばの実づくり』としては、そば作付けの復活推進、そば畑オーナー、そば畑立札コンクールを実施した。

・そば作付けの復活推進は、JA女性部による共同栽培や、一戸2a運動を展開。そば栽培指針の発表を行うなど面積拡大に努めている。

 

 

 

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