4. 交流事業の問題点と今後の展望
当初は反響が大きかった留学制度も、近年の少子化などに伴い留学児童数は年々減少している。できれば各学年に2名程度入寮してもらい、地元に新風を吹き込んでもらいたいと願っている。
そのため、山村留学の良さをアピールしようと、夏休みに寮生も交え「一日体験入学」を実施している。その中で、都会の子供たちに川遊びやアユのつかみ採り、山の中での肝だめしなどを体験してもらうイベントを企画している。その他、新聞広告やタウン誌への広告などを行い、留学児童の募集に努めている。
当村では、「きなりの郷一自然と共生する暮らしができる村」を地域づくりビジョンに掲げ、当村を訪れる人々との交流を通して開かれた地域づくりを目指している。留学児童と地域の子供たち、そして地域の人々との交流を目指した「山びこ留学制度」も、豊かな大自然を活かしたこの地域づくりの一端を担っている。
留学を体験した都会の子供たちが、また、都会の新風に触れた地域の子供たちが、これからの長い人生の中でプラスとなり、生涯忘れ得ない想い出となるよう、今後も制度の充実を図っていきたいと考えている。