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事例25 京都府・丹後町(人口7,680人 面積64.96km2)

〜京都府最北端の町は交流の里〜

(それは小さな村の実践から始まった)

 

1. 交流事業の契機

丹後半島の先端、日本海に突き出す経ケ岬のすぐ西に流れる清流「宇川(うかわ)」。その上流に全戸数20戸の『鞍内(くらうち)』集落がある。昭和40年代までこの鞍内より上流に4つの集落があったが、全て離村・廃村となり、鞍内の子供達だけとなった小学校の統合(廃校)問題が浮かび上がっていた。昭和63年、旧国名同士の縁で大阪府摂津市から、子供達の交流の依頼が舞い込む。山村留学への期待を持ちながら以来10年間、民泊など村人総出で続けた鞍内の取組みが、新たな交流の呼び水となっていく。

平成7年度から、京都市内の大学と北部の市町が協同して「地域文化」づくりに取り組む京都府の「丹後地域オープンカレッジ事業」(以下、TOC)が始まる。丹後町には京都精華大学のセミナーハウスがあることから、町と大学はTOCに乗りながら積極的な取組みを進めることになるが、その主要なテーマが「宇川」であり、平成3年に廃校となった小学校の活用となったのもまた必然というべきであろうか。

こうした中で平成9年1月、ナホトカ号の重油災害が発生する。マスコミ報道の通り全国からボランティアが駆け付け、本町でも延べ7千人の方々に回収作業にあたっていただいた。精華大学の学生も繰り返し来てくれたのはもちろんである。

そして、美しく蘇った日本海、この感謝を形に変えたい、そんな思いから交流イベント『タコばかしサミット』が誕生する。

 

2. 交流事業の経過・概要

摂津市との交流は、小学校が廃校となったことを契機に、それまでの子供中心の交流から親子一緒の交流へと変化し、夏は摂津が鞍内を訪ね、秋には鞍内が摂津を訪問というパターンが定着している。

一方、精華大学は、鞍内をはじめとする宇川流域の集落を訪ね、人々の生活や植物、アユなどの特産物を調査するとともに、廃校となった小学校の活用方策について鞍内区民とワークショップを重ねた。また、『タコばかしサミット』へ向けて、建築科の学生達はサミットの会場となる海水浴場に、地元の大工さんや中学生と交流しながら船の形をした露天風呂を製作する。

平成9年9月25日、ボランティアに感謝するボランティアによる取組み『タコばかしサミット』が開幕。伝統漁法である「タコばかし」をテーマとしつつ、環境を考える「ゆでダコシンポ」や砂浜運動会など、交流イベントは大成功に終わる。

 

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精華大学と鞍内区民のワークショップ

 

 

 

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