したがって、行政サイドの役割としては、まちおこしグループとタイアップはしているものの、あくまでも当該まちおこしグループ等へのサポート的立場となっている。
(3) 開催市町村の決定
開催市町村については、原則として1年前のシンポジウムまでに決定することとしているが、それまでに決定できない場合は、三重県ふるさと振興協議会において調整を行い、決定している。
3. 交流事業の効果
当該シンポジウムの効果としては、「なかまづくりがまちおこしの原点」との概念をもとに次の3点が考えられる。
1) 県下過疎市町村のそれぞれのまちおこしグループ等が、自分たちの活動を通じて今考えていること、悩んでいることを中心に、同じような立場にいる仲間と意見交換・交流を行い、自分たちの活動を再認識するとともに、明日に向かって互いに勇気づけあうことで、新たな活力がうまれる。
2) 同じ県でありながら、今まで交流のなかった県下過疎市町村のそれぞれのまちおこしグループ等の間にネットワークが形成される。
3) シンポジウムを開催することにより、それまでまちおこしグループがなかった市町村において、新たにグループが形成されるきっかけとなる。また、既にいくつかのまちおこしグループがある市町村においても、今までリンクしていなかったグループの間にネットワークが形成される。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
1) これまでシンポジウムを開催してきた市町村は、既にまちおこしグループが存在していたところが多く、そのためシンポジウムの開催についても比較的スムーズに受け入れられてきたが、今後開催を予定している市町村は、まちおこしグループが存在しないところもあり、そのためシンポジウムを開催するにあたり、かなりの準備を要していくと考えられる。このため、今後継続してシンポジウムを開催していくためには、サポート的立場である行政サイドの役割が大きくならざるを得ないと考えられる。
2) シンポジウムを受け入れることを契機につくられた新たなまちおこしグループならびにまちおこしグループのネットワークが、一過性のものに終わらないよう努力しているが、シンポジウム閉会後も、それぞれのグループが他地域のグループと連携を図りながら、活発な活動を継続して行っているかが懸念される。