3. 交流事業の効果
南伊豆町の海は、一部を除きダイバーに開放されていない。この作戦は、ダイバー側にとって未知の海への潜水という価値があり、町の側から見ても、海中清掃をボランティアの手で行える上に地元の民宿を利用してもらえ、町のPRにもなるなどのメリットがあり、両者の利益が一致している。
また、町では、ボランティアのダイバーにゆっくりくつろいでいただき、お互いの交流を円滑に進めるとともに、町の観光施設をPRするため、町営温泉「銀の湯会館」の入浴券を、町民価格の割安料金で提供し、大変喜ばれている。
この作戦において、毎年度、数百kgものゴミが集まっており、町の重要な地域資源である海の環境美化に大きな効果が上がっている。
4. 交流事業の問題点と今後の展望
本事業は、今後も毎年度実施していく方針であるが、安全確保のために、安易にダイバーの参加人数を増やすことができず、また、町外からの参加者がダイバーに限定されているために、情報が広がりにくい側面がある。
今後、安全面に十分配慮しながらも、PRの方法を工夫するなど、より多くのダイバーの参加が得られるように図っていくとともに、クリーン作戦(環境美化運動)の対象を海中及び海岸だけでなく、海につながる川(内水面)や山林等も含めた、より広い範囲に広げていくことも検討し、都市との交流人口の増加拡大や町のPR、町の環境美化に一層の効果が上がるよう取り組んでいきたい考えである。