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事例21 岐阜県・清見村(人口2,617人 面積359.16km2)

〜「ひだ清見ふるさとプラザ」の概要と今後の展開〜

 

1. 交流事業の契機

大野郡清見村は、高山市に隣接し、高山駅から車で15分程の位置にあるが、総面積59km2の広さに2,620人の住民が暮らす過疎の村である。これほど広い村であるが「ありそうでないもの」が5つあり(スキー場、ゴルフ場、駅、ダム、そして温泉)、特筆すべきものがない状況にあった。

この村をそれなりに有名にしたのは、天然林の保全と自然景観がおりなす「飛騨せせらぎ街道」である。そして、この街道の自然景観保全を手始めとする都市・山村交流活動の拠点「ふるさと公園パスカル清見」の建設が、過疎の歯止め、小学校の存続、都市との交流につながり、都市に村のアンテナショップを開設するまでに至った。

 

2. 交流事業の経過・概要

清見村と愛知県一宮市本町商店街の交流は既に6年前から始まっていたが、そのきっかけは、一宮市本町商店街の役員がパスカル清見の宿泊体験イベントに参加したことであった。それを契機に、低迷の続く商店街と過疎の山村というどちらも同じような悩みを持つもの同士が、知恵とアイディアを出し合い、相互の繁栄を願って各種の交流事業を行い、理解を深めてきた。

そして平成8年3月、商店街の店舗に空きができたのを契機に、商店街から清見村に出店の打診があり、かねてからアンテナショップの必要性を感じていた村との間で話が進み、現在の出店に至っている。

アンテナショップ「ひだ清見ふるさとプラザ」は、JR尾張一宮駅から徒歩7分程度の商店街の中心にあり、ゆったりとした間口で店内も広々としており、商品は整然と配置されている。鉄筋二階建て、面積は約165m2あり、一階は清見村特産のドレッシング、アイスクリーム、飛騨和牛加工品、味噌、菓子、ハーブ製品や、清見村在住のクラフトマンが作成した木工品等を中心に、飛騨産品が揃っている。ニ階は多目的に利用できるホールとなっており、リース教室や木工教室等の体験イベントに利用したり、時には商店街主催のイベントや会議等に貸し出している。店の従業員は女性3人(1人は企画営業)で地元の一宮市から採用している。

 

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「ひだ清見ふるさとプラザ」の店先

 

3. 交流事業の効果

(1) 知名度、誘客の向上

人口2,620人の小さな村が都市にアンテナショップを開設していることは、新聞、テレビ、ラジオ等のマスメディアを通じて開設時は勿論その後も何度か報道された。

 

 

 

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